2013年 06月 06日
ある物件で古い図面を眺めていましたところ、疑問がありました。 鉄骨造の根巻き・埋め込み柱脚では、以前まで鉄骨柱にスタッドを用いて基礎へ応力伝達する手法を用いていました。眺めている図面にも柱脚にスタッドの記載が・・・しかし、現在の技術規準書には見当たりません。調べてみると、鋼管構造設計施工指針あたりから変遷があるようですし、技術基準解説書や告示H12-1456号には礎柱のRCに関する記述はありますが、スタッドに関する記述はありません。 ****************引用開始************************* 「鋼管構造設計施工指針」 従来、柱の曲げモーメントをスタッドコネクタのせん断力により基礎に伝達する設計手法が慣用的に用いられてきたが、しかし、柱の曲げモーメントは柱フランジと基礎コンクリートの間の支圧力により基礎に伝達され、スタッドコネクタのせん断抵抗による応力伝達は支配的でない」 ****************引用終了************************* 上の知見によれば、柱面と基礎コンクリート間の支圧力が支配的で、スタッドはあくまで補助的な位置づけなのです。たとえば、引き抜き対策にスタッドは?とも考えましたが、a-boltが負担していると考える方が合理的な気がします。 現状、工期の制約もあって根巻きや埋め込み柱脚は激減していると思いますが、建築基準法やら告示は守らねばなりませぬ。使うとすれば耐震補強での柱脚補強とか?・・・日々是勉強でございます。
by iseo_a
| 2013-06-06 10:43
| 日々是勉強
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浜松の構造設計一級建築士事務所 A-tec建築設計事務所です。
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